遺言書の効力と種類

遺言書の主な役割は、遺言者の財産や権利をどのように分配するかについての意志を法的に明確にすることです。
遺言書が正しく作成されていれば、死後の遺産分割に関するトラブル(争続)を防ぎ、残された家族や関係者に対する想いを明確にすることができます。
遺言書の主な効力
遺言書の具体的な効力には以下のようなものがあります。
財産分配の指定
財産(不動産、預金、株式、その他の資産)を誰にどのように分配するかを指定することができます。各資産を個別で渡したり、誰に1/2といった割合で渡すこともできます。
後見人の指定
未成年の子どもがいる場合、遺言書で後見人を指定することで、子どもの将来を保障することができます。
遺言執行者の指定
遺言の内容を実行するための遺言執行者を指定することができます。遺言執行者は遺言書の内容を実現するための一切の権限を有します。相続人以外に財産を渡したい場合は原則遺言執行者の指定が必要と言えます。
遺贈の指定
特定の物や財産を特定の人や団体に贈る(寄付など)ことを遺言で指定できます。
遺産分割に関する争いを防止
明確な遺言書があれば、相続人間での財産分配に関する争いを減らすことができます。
法定相続の修正
遺言書の基本的な効力として、遺言書を通じて法定相続とは異なる分割を希望する場合にその意志を反映できます。


遺言書の種類

遺言書には、主として3つの種類があります。秘密証書遺言については実務では殆ど使われていないようです。
それぞれ形式や要件が異なるため、目的や状況に応じて選択することができます。
自筆証書遺言
遺言者が自分で全文を手書きして作成する遺言書です。
特徴:
- 遺言者自身がすべての内容を手書きする必要があります(財産目録に関してはパソコン作成や印刷が可能)。
- 日付、署名、押印が必要。
- 費用がかからず、自宅で簡単に作成できます。
- メリット:
- 手軽に作成でき、費用がほとんどかかりません。
- デメリット:
- 書き方に不備があると無効になる可能性がある。
- 紛失や改ざんのリスクがある。
- 遺言書が発見されない場合もあります。
- 相続開始後に家庭裁判所の検認が必要になる。
2. 公正証書遺言
公証人役場で公証人が作成する遺言書です。
- 特徴:
- 遺言者の口述に基づいて、公証人が遺言内容を作成します。
- 2人以上の証人が立ち会う必要があります。
- 原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません。
- メリット:
- 専門家(公証人)による作成のため、法的に確実です。
- 紛失や改ざんのリスクがほぼない。
- 遺言内容の検認が不要なので早期に相続手続きが開始できる。
- デメリット:
- 作成に費用がかかる。
- 証人を用意する必要があるため、準備に時間がかかることがあります。
3. 秘密証書遺言
内容を他人に知られたくない場合に利用できる形式です。
- 特徴:
- 遺言者が遺言書を作成し、封印して公証役場に持参します。
- 公証人と2人以上の証人の前で、遺言者が自分の遺言書であることを確認させます。
- 遺言内容は公証人や証人には知られませんが、遺言書の存在自体は法的に確定されます。
- メリット:
- 内容を秘密にしつつ、遺言の存在を保証できます。
- デメリット:
- 内容に法的な不備があった場合、無効となる可能性があります。
- 自筆証書遺言と同じように、遺言内容の検認が必要です。
- 紛失や改ざんのリスクがあります。
特徴ごとに比較した表は以下の通りです。
| 遺言書の種類 | 作成方法 | 証人の有無 | 保管方法 | 費用 | 検認の必要性 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 遺言者が全文を手書き | 不要 | 自宅や法務局 | 無料 | 必要(法務局保管時は不要) | 手軽に作成でき、費用がかからない | 紛失・改ざんのリスク、形式不備の可能性 |
| 公正証書遺言 | 公証人が遺言者の口述に基づき作成 | 必要(2人以上) | 公証役場で保管 | 公証人手数料 | 不要 | 公証人による作成で法的に確実 | 費用がかかり、証人が必要 |
| 秘密証書遺言 | 遺言者が作成し、封印して公証人に提出 | 必要(2人以上) | 自宅など | 公証人手数料 | 必要 | 内容を秘密にできる | 法的不備で無効になるリスク、紛失の可能性 |
どの遺言を選ぶべき?
ではどの遺言書の種類を選ぶべきでしょうか?以下にそれぞれの特徴から向いている遺言書の種類をまとめました。
- 簡単で費用を抑えたい場合 → 自筆証書遺言
- 確実で法的なサポートが必要な場合 → 公正証書遺言
- 内容を秘密にしたいが、一定の法的保証が欲しい場合 → 秘密証書遺言
ただし、実務においては公正証書遺言が基本です。
一番の怖さはご自身で作成することにより法的な不備があり、せっかく作成した遺言書が無効になることです。また相続人や財産が多い(特に不動産が含まれている場合)は、自筆証書遺言だと相続人同士でのトラブルが発生する恐れもあります。
ご自身やご家族への想いを確実に遺したい、そんな場合は公正証書遺言の作成をご検討ください。
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